電気工学のための   Mathematica活用法(上)

電気工学のための Mathematica活用法(上)

By 一郎 笹田

  • Release Date : 2015-07-24
  • Genre : 工学
  • FIle Size : 34.04 MB

Description

電気工学のための Mathematica活用法(上) Mathematica™は数式計算や数値計算を多面的に支援してくれるソフトで,いわば,数学辞書と計算エンジンを内蔵した「現代の紙と鉛筆」である.数式で表現されるモデルの定量的解析や実験データの解析などを見通しよく,素早く,高い計算精度で行うことができる.加えて図表やアニメーションでそれらの結果を分かりやすく表現でき,理解の助けに大きな力を発揮する.これは,計算を必要とする学生や専門職業人の生産性を格段に向上させてくれる.このことを読者に是非体感してもらいたいと思ったのが本書を書いた動機である.
Mathematicaには多くの組み込み関数があるので,問題を解く手順を思いつきさえすれば必要な組み込み関数で各手順を書き表し,それを実行することで解を得ることができる.この式はどのように積分するのだったか?この微分方程式はどのようにして解くのだったか?などの計算技術に関することはMathematicaが全部引き受けてくれる.つまり,着想したアルゴリズムを組み込み関数で書き下すことによって素早く結果を得ることができるのである.
本書では電気工学でよく使われる数学(電気数学),電気回路,電磁気,ディジタル信号処理の各分野から基本的な課題を選択しその解法にMathematicaをどのように用いるかを丁寧に説明している.各ステップで実際に計算を実行できるコードをつけている.学生諸君が,「現代の紙と鉛筆」とでも言うべきMathematicaのパワーを利用して電気工学の諸問題を素早く深く理解できるよう手助けするのが本書の役割であるが,これを通してMathematicaの使い方に自然に慣れ親しんでもらいたい.
第1章は導入でMathematicaでユーザが利用するノートブックの使い方や数学演算をどのように実行するのかについて概要を説明している.第2章はMathematicaで重要な役目を果たすリスト(要素の1つ1つに対して操作可能なデータの集合体)について,第3章はルールと置換について説明している.リストと,ルールと置換はMathematicaを使いこなす上で特に重要である.第4章は微分方程式の解法について直接解析解を求める方法,ラプラス変換を用いて解析解を求める方法,数値解として求める方法を説明している.数値解法の応用としてdc-dcコンバータの数値計算法をあげている.第5章は電気回路の基礎的な問題を回路方程式(微分方程式)を立てるところから始め,定常解へ至る過程でフェーザを導入した.そして,電気回路における基本中の基本であるフェーザ図の理解を助けるためのアニメーション法を示している.最後に,ラプラス変換を用いた回路解析の例としてインパルスレスポンスの重要性を示すために正弦波入力に対するローパスフィルタの応答を実際に計算している.
用語集には図も貼り込むことができるので,組み込み関数のレファレンスのように充実させた.本書はマックOSX™環境を前提として書いている.Windows™環境でやり方が異なる場合については該当箇所に(Win)として用語集にリンクを張っているのでポップアップウインドウの中で見れるようにしている.
下巻(近刊)は6~10章からなる.の6章はベクトル演算と,電磁気学でおなじみのベクトル場の勾配,回転,発散の演算法を説明している.典型的例題を用いて回転や発散の意味を説明している.7章は,典型的な電磁場の計算方法と磁気ベクトルポテンシャルの計算方法を説明している.8章は電磁場の可視化のために電気力線,磁力線を作画する方法を説明している.一般的な電気力線や磁力線の作画方法として積分曲線(解曲線)を用いる方法に重点を置いた.9章は組み込み関数Moduleを用いて周波数分析関数やディジタルフィルタを設計する関数の作り方を説明している.その応用は10章で述べている.10章ではオシロスコープで取得した膨大なデータをMathematicaに読み込む方法を述べ,周波数分析やフィルタリング,および同期加算による信号回復について述べている.

keyboard_arrow_up